【アルゼンチン】ボリビア親睦会 転住50周年祝う


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「ボリビア親睦会」と名付けた会は、ボリビアから親戚や知人の呼び寄せを頼ってアルゼンチンへ転住した沖縄県出身の移民が創設した会である。そのボリビア親睦会が昨年9月、アルゼンチン転住50周年を記念した祝賀会を、沖縄県人連合会館大ホールで開催した。

祝辞の言葉として屋宜宣順会長が、これまでの歴史を振り返りながらあいさつ。「諸先輩たちがボリビアの移住地から、新天地を求めてこのアルゼンチンへ転住してから、今年50周年になる。現地に移住すれば50町歩の大地主になれる大きな夢と希望に満ちあふれた開拓移民だった」と説明した。
 州都から100キロ。水も道もない原始林の密林地帯に追い込まれ、原因不明の疫病が発生、多くの犠牲者を出した。さらに雨期になると川が氾濫、乾燥期には不毛地帯になり、別の場所への移動を繰り返す「苦難の道のり」だった。不安と動揺が高ぶり、隣国ブラジル、アルゼンチンへ転住者が相次いだ。旭クラブ、ボリビア同志会からボリビア親睦会へと名実伴った団体に発展、今では190世帯に膨れ上がっている。
 祝賀会には沖縄県人会長新垣定二氏をはじめ、ボリビア沖縄県人会会長宮城カズオ氏や日本から知花弘和氏(旭クラブ初代会長)らを迎え、会員家族や知人で会場は満員となり、当時の苦労話に花を咲かせた。
 「転住者達の融合と発展の軌跡」という題の50周年記念冊子が発行され、亜国転住者名簿、大学生卒業名簿のほか、ボリビア生活と転住のきっかけについての家族史や私的物語、その時代の貴重な写真が盛り込まれている。
(大城リカルド通信員)