日系2世の戦場体験を記録 沖縄県系人も証言


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米軍兵として戦ったハワイ日系2世の記録映画を製作する松元裕之さん

 【東京】神奈川県のNPO法人代表、松元裕之さん(47)が、第2次世界大戦で米軍兵士として欧州で戦ったハワイ日系2世のドキュメンタリー映画「Go for Broke! ハワイ日系二世の記憶」を製作している。

沖縄系人の貴重な証言も収めており、5月のハワイ・ホノルル映画祭出品を目指している。
 広告代理店出身の松元さんは2008年にハワイで日系人と交流したことを機に映画を企画。米陸軍の日系人部隊「第442連隊」の元兵士ら31人と兵士の妻3人を10年春に取材した。
 県系の元兵士4人も登場する。ジョセフ大城さん(88)、ジロー古謝さん(89)、ロバート・アンセ新垣さん(88)、スタンリー・ユタカ泉川さん(87)だ。
 米国人部隊の救出作戦に投じられ、九死に一生を得た大城さんらの戦場体験や当時の生活が語られる。沖縄系への日系人社会の差別などの話も出てくる。
 真珠湾攻撃後、日系2世は米国への忠誠を示すため危険を顧みず戦い、多くの犠牲を生んだ。松元さんは「日本人排斥の移民法が戦後撤廃され、日本企業が米国に進出できたのも彼らのおかげ。礼儀、道徳など日系社会に残る精神性は今こそ学ぶべきだ」と話す。
 記録映像を含め約100分に編集する。製作は寄付金に頼っており、広く協力を呼び掛けている。問い合わせは(電話)090(3501)1249。