【フランス】沖縄の海、鮮やかに 芸術家伊東さん展覧会を開催


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ジャック・トゥボン元文化大臣に作品を説明する伊東さん(中央)=パリのポルト・ドレ水族館

 鮮やかな沖縄の海中写真作品で著名な芸術家の伊東昭義さんが、2005年の国立スミソニアン博物館の展覧会に続き、2月2日から3月15日までパリのポルト・ドレ水族館で展覧会を開催している。

今回の展覧会は同水族館館長、ミッシェル・イニエット氏の肝いりで実現した企画。展覧会のレセプションではジャック・トゥボン元文化大臣も出席、一つ一つの作品を丹念に鑑賞し、伊東さんにそれぞれの作品に関して細かく質問していた。
 今回の展覧会の作品の8割が沖縄の海中写真。大規模な白化現象が起こる前に撮られた作品の中には、もうその場所に潜っても二度と見ることのできない景色が伊東さんの手によって残されている。
 写真でありながら立体感があり、迫るような鮮やかな色合いに圧倒される。さらに、この写真を加工したかのような強烈な色合いは、実はそれぞれの生き物の持つ本来の色を強い光を当てることによって伊東さんが引き出しているということに、詰め掛けたフランス人ギャラリーは感嘆し、作品にくぎ付けとなっていた。
 伊東さんは「海中のありのままの姿を、より美しい形で見てもらうことによって感動し、自然に対する認識を高めてもらうことが大切。それが芸術家としての使命でもある」と語った。
 パリの展覧会後は9月にイタリアの著名なアリナリ美術館においても展覧会が予定されている。
(大城洋子通信員)

英文へ→Akiyoshi Ito’s Photograph Exhibition held in Paris to let people know about the beautiful ocean of Okinawa