【アメリカ】多様性に富み、人材豊富 宮里琉大准教授、沖縄テーマに講演


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講演終了後、宮里大八琉大准教授(前列右から3人目)と記念撮影する参加者=北米沖縄県人会館

 14日から17日にかけてカリフォルニア州アナハイム市マリオット・ホテルで開催された産学連携や技術移転の国際会議「AUTM」に出席した琉大産学官連携推進機構特命准教授宮里大八さん(38)が、北米沖縄県人会文化部(下地のり子クワロン部長)の要請に応えて、沖縄のウチナーンチュ若者の活動について講演した。昨年沖縄からのインターン生を沖縄県人会で受け入れたことなどに感謝し、講演をボランティアで行った。

 まず自分が幼いころ過ごした本部町備瀬の風景をスライドを使って紹介。続いて沖縄の現状と将来のビジョンについて説明した。備瀬の特徴として樹齢300年以上のフクギが多いこと、美ら海水族館が間近にあること、昔の風習が自然のまま残されていることなどを挙げた。
 沖縄は、多様性に富み、地理的位置の条件に恵まれ、世界のウチナーンチュ・ネットワークがしやすい、そして才能に恵まれたタレントなど人材が豊富であることなどを強調した。
 昨年の第5回「世界のウチナーンチュ大会シンポジウム」で決議された「万国津梁基金」100億円の可能性に触れ、今後どのようにビジョンの実現に向けて活用していけるかを説明した。
 第5回ウチナーンチュ大会で琉大2年生・比嘉千穂さんらがリーダーとなって開催した「琉球ストンプ」は新しい試みで、今後も継承すべきイベントだと追記した。
 沖縄の強みは文化や芸能が豊富、歴史が長く、自然に富み、肝心(チムグクル)をもって相手に接する態度が特徴付けられる。若者の向学心・就職率向上に努力し、人材を育成していくことによって、持論である「2050年までに沖縄からノーベル平和賞の受賞」の夢が実現できるのではないか、と強調した。その後質疑応答に入り、参加者から多くの意見が出され、深夜まで討論が続いた。
 宮里さんと一緒に沖縄県人会に同伴した萩原康幸・九州工業大学産学官連携コーディネーターは「沖縄を離れていても、沖縄のことをよく考えているのはすごいなと思った。沖縄の経済、若者の未来について真剣に討議していたことが印象深かった」と感想を述べた。(当銘貞夫通信員)