【アメリカ】20年越しの夢実現 バーガス真弓さん「沖縄食堂」を開店


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沖縄食堂「ハブ家」を営むバーガス真弓さん(右)=米オレンジカウンティー

 「1991年に渡米して以来、やっと夢がかないました」。米ロサンゼルス郡隣接のオレンジカウンティーに沖縄レストラン「ハブ家」を2010年12月にオープンしたバーガス富田真弓さん(42)=与那原町出身=は感慨深げに語った。店内は沖縄の雰囲気を取り入れ、終始、沖縄音楽を流し、沖縄への郷愁や家庭の味を楽しんでほしいとの願いが込められている。沖縄に生息するハブの意味と地域コミュニティーの住民ネットワークの「Hub(ハブ)=拠点」になりたいとの思いが店名に表れている。

 沖縄の家庭料理を居酒屋風にして提供。代表的メニューにはゴーヤーチャンプルーやティビチ。骨付きのポークリブが乗っているソーキそばは人気が高い。他地域や他州からネットで知って来店する客もいる。
 ロサンゼルス近辺ではこれまで、多くの人が沖縄料理店を出店したが経営が思わしくなく、閉店に追い込まれた例が多かった。真弓さんはそれも加味し、調査を十分に実施、この地ならやっていけるとの確信に至った。
 オレンジカウンティーには日系人も多く住んでおり、味と品数に工夫。各種ラーメンもメニューに取り入れ、接客に親切に対応すればビジネスの成功は間違いないと予測した。客は日本人、中国人、韓国人、そしてアメリカ人と幅広い対象を目標にする。2人の料理人は日本の本土出身で、真弓さんの指示の下、料理作りに専念する。壁にLAタイムズやローカルの英字新聞数社の「評判が高い店」との記事が掲げられている。ある英字記者は何の前触れもなく来店、ソーキそばを注文し、食べ終わって数日後に「今週の最優秀賞」をハブ家に授与した。
 店内は狭く、収容約20人だが、常連客でいっぱいだ。「マングースお断り」と書かれたシャツを着ていたので、理由を真弓さんに聞くと「ハブ家だから」とさらりとかわされた。
 ハンティントンビーチに住む真船高啓さん(71)=東京出身=はソーキそばを注文。「豚骨がとろけるようで、脂っこくなく、一度食べたら忘れられない味だった。近いうちにまた来たい」と話した。(当銘貞夫通信員)

英文へ→Okinawan restaurant in Orange County