【ワシントンDC】ワシントン桜祭り 沖縄文化 華やかにアピール


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 全米最大のワシントンDCの桜祭りは米国内、海外から100万人以上の観客でにぎわい、1億8千人の人がテレビでその模様を見ると言われている。桜が贈られて100年となる今年の桜祭りはボランティアだけでも4千人が動員され、過去最大規模。ペンシルベニア通りは、6ブロックにわたって「全米さくら祭りストリートフェスティバル」の会場となり、両脇には食べ物の出店や文化紹介のブースなどがひしめき、四つのステージではパフォーマンスが繰り広げられ、会場は、日本文化一色に塗られた。その中で沖縄から三つのグループと、地元で活動する沖縄太鼓グループが出演し、沖縄カラーが色濃い各ステージで沖縄文化がアピールされていた。(鈴木多美子通信員)

<玉城流継翔会>琉舞で会場盛り上げ
 ことし連続11回の訪米を果たし、桜祭りでは2週続けて琉球舞踊を披露した金武町の玉城流継翔会金城平枝琉舞道場一行。幕開けは宮里和美さんと利江・セルベーニィさんの「長刀」。続く「鳩間節」では比嘉瑞子さん、桂子・モーガンさん、末子・ニスカーラさん、明美・バアーさんが力強い演舞を見せた。
 「貫花」は豊子・カスタブーナさん、初枝・キンリーさん、初子・ウイルソンさん、清美・ヒュウさん、そして真栄城ひさ子さんの地元の門下生が日ごろの練習の成果を発揮した。その後、金城平枝さんと渡辺陽子さん、山城吉美さんが「繁盛節」を舞い、会場を盛り上げた。
 地謡を務めたのはワシントンDC沖縄会の三線グループ。毎年桜祭りのイベントに参加し、沖縄伝統文化のアピールに力を入れてきた。メンバーの一人の大学生はこの日のために片道5時間近く離れた大学から駆け付けた。

<風之舞>力強い演舞に喝采/記念撮影で観衆と交流も
 古武道太鼓集団「風之舞」は、昨年の世界エイサー大会で優勝した功績が認められ、外務省から沖縄県を通して今年の桜祭りに派遣される運びとなった。
 演舞者は小学生から36歳までの21人。45分間の演技はさまざまな道具を用いた迫力ある闘いの舞や太鼓で、息の合った力強い演舞に会場からは大きな拍手が鳴り響いていた。
 演舞終了後ステージ前に集合した演舞者と一緒に観客が写真を撮るシーンもあり、和気あいあいとした草の根外交の一場面も=写真。プロデューサーの山城健さんは「海外公演での舞台を通して一番大事なことは現地の人たちとの交流。演舞者各自にとって大きな意味があり、それにより演技も向上する」と話した。
 豊川綾音さん(中1)は「太鼓を通して日本とアメリカの懸け橋になりたい」と話し、最年少の久保田媛日さん(小6)は「大変だったけどアメリカ人の人たちが乗ってきたので楽しくできた」と満足げだった。 長嶺いずみ代表は「観客から長い拍手をもらいアメリカ人の乗りの良さを感じた」との感想を述べた。

<琉球ちむどん>沖縄ポップで独特ムードに
 Jポップステージでは、琉球ちむどん楽団がカラフルなコスチュームで入場口からステージまで、軽快な音楽に乗せて陽気な歌と踊りでちんどん屋風に練り歩いた。
 「神秘的、幻想的な動と静のスーパーパフォーマンス」でジャズありロックあり民謡ありの、沖縄ポップ独特のムードを醸し出していた。オリジナル曲の「流れ星」などを踊りも交えて熱唱。最後の「てぃんさぐの花」は哀愁ある声が響き、県出身の女性たちが感動し、うっとりと聴いていた。

琉球舞踊を披露する玉城流継翔会金城平枝琉舞道場のメンバーら=4月、米ワシントンDC