【アメリカ】桜祭りに「沖縄色」 バージニアビーチ三線会


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地元の桜祭りで元気なエイサーを披露するバージニアビーチ三線会やエイサー隊のメンバーら=米国バージニア州バージニアビーチ市

 バージニア州の東に位置し、太平洋に面したバージニアビーチ市は60キロに及ぶ海岸線が続き、シーズンになると多くの観光客でにぎわう観光リゾート地だ。1607年にイギリスからの移住者が最初に上陸した歴史的にも趣のある町だ。

隣接するノーフォーク市は世界最大の海軍施設を誇る海軍基地の町。軍属の夫の関係でバージニアビーチ市近郊に住んでいる沖縄系女性たちも少なくない。いつのころからか親睦を兼ねて集まるうちに、2005年に三線会を発足させ、ことしで7年目を迎えた。
 ことしもバージニアビーチ三線会は、地元の桜祭りに4度目の出演を果たした。恒例の桜祭りはことしで8年目。1992年にバージニアビーチ市は宮崎市と姉妹都市となり、芸術、福祉、教育分野での民間交流が盛んに行われている。その一環として公園に宮崎庭園や桜並木が整備され、市民の憩いの場になっている。そこは毎年桜祭りの会場となり、折り紙、生け花、習字、墨絵などの日本文化が紹介され、ステージでは日本琴、和太鼓、空手などが披露されている。
 ことしの三線会は、歌と三線だけでなく、琉球舞踊とエイサーを新たに紹介することになり、力が入った演奏となった。
 三線会代表の譜久嶺絹子さんは「この日のためにエイサー隊を結成した。パーランクーを沖縄から取り寄せ衣装も自前。振り付けはDVDを見ながら練習した。三線会の衣装は沖縄から紅型の反物を取り寄せ二部式のカジュアルな着物を作った。観客の中には三線の軽快なリズムに合わせて踊りだす人もいて楽しいステージになった」と感想を語った。
 メンバーは9人。半数は県外出身者だ。譜久嶺さんは「定期練習会は月に一度。インターネットやCDなどを参考にして励んでいる。イベントが近づくと頻繁に集まり練習している。近くに指導者がいないのでワシントンDC三線会の応援を頼み、レベルアップを図っている。三線の音色は故郷を思う音、癒やしの音、ヌチグスイ」と話した。
 これまでバージニアビーチ三線会は、ボランティア活動として地域の学校で沖縄の文化の紹介と三線の演奏を行い、沖縄文化のアピールに一役買っている。(鈴木多美子通信員)