【アメリカ】創立90周年を祝う 北米金武町人会


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儀武剛町長(中央)ら金武町からの参加者たち=1日、米国モンテベロー市のクワイエット・キャノン

 「いざ行かん、われらの家は五大州」―。沖縄移民の父、金武町出身の当山久三氏と26人がハワイに上陸したのが1899年、弟の又助氏がサンフランシスコに上陸したのが1902年だった。

北米金武町人会(安次冨正信会長)が米国モンテベロー市のクワイエット・キャノンで「沖縄県金武町移民100周年」の記念式典を開催したのが10年前の2002年。ことし7月1日、北米金武町人会は創立90周年記念祝賀会を同じ場所で催した。
 祝賀会には金武町から儀武剛町長はじめ、仲里全考町議会議長、五区の区長、芸能部員ら48人、地元南カリフォルニアの会員も含め200人余が参列した。
 ハワイ、ペルー、ブラジルなどには各町村人会があるが、北米本土の町村人会はロサンゼルス区域の金武町人会だけだ。
 ことしの式典委員長に池原勲さんが就き、元北米沖縄県人会長の金城武男さんが乾杯の音頭を取った。記念品と金一封の贈呈、90歳以上の会員への感謝状が儀武町長から授与された。北米金武町人会員の与那嶺恵子玉城流冠扇会師範や門下生らと金武町との琉球芸能交流会もあった。
 金武町には独特の郷土芸能「ムスナイナイ」や「獅子舞・長刀」があるが、今回、屋嘉区の伊芸未来さんと大城里衣さんが「恩納節」舞踊をしっとりとあでやかに演じ、観客を魅了した。この踊りが県外へ出るのは初めてという。沖縄警察署スポーツ少年団剣道部指導者の大道チエ子さんも参加した。
 金武町は沖縄移民の父・当山久三氏や又助氏によって培われた「沖縄移民の推奨」の地で知られる。祝辞の中で儀武町長は「研修生の金武町への派遣、金武町青年派遣事業での研修生の受け入れなど、若い北米金武町人会員の皆さんと金武町の若者が交流を深めながら、日本との懸け橋となっていただきたい」と移民の父の精神を継ぐ“金武魂”の継承を強調した。(当銘貞夫通信員)

英文へ→North America Kin Chojinkai Club celebrates 90th anniversary