【アメリカ】沖縄から“IT侍” MITでゲーム開発


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沖縄でのゲーム開発の構想について発表する仲程修平さん(左)=7月24日、米マサチューセッツ工科大学

 最先端技術を研究する米マサチューセッツ工科大学(MIT)に今夏、沖縄から『IT侍』が乗り込んできた。

急上昇中のデュアル・ソリューション社(那覇市久茂地)に属している上地里奈さん(35)、知花司さん(31)、仲程修平さん(24)=エンジニア=の三人組だ。目的は世界的に急成長しているスマートフォンのゲーム開発の展開だ。
 沖縄の物産店やレストランをアメリカ市場に展開したいという会社や個人が最近、増えてきた。そんな中、最先端の技術を持ち込んでの挑戦はまれだ。
 日本国内の大手ゲーム会社がリスクを恐れて海外進出にちゅうちょする面があるようだが「沖縄には有能な若者がたくさんいる。ウチナーンチュ・ネットワークとMITの協力を得て海外への展開を図りたい」と上地さんは目を輝かせ熱く語る。
 ボストンには若手音楽家の仲間将太さん(29)がいる。ゲーム音楽では世界でも指折りのVGOオーケストラを組織して活躍しながら、MITやハーバード大学の客員として共同研究に招かれる有力なウチナーンチュだ。仲間さんの存在は渡し船として大きい。
 6月にMITゲーム研究所の副所長を沖縄に招いたことで急速に関係が深まり、上地一行が1週間、同大学の研究所で学び、情報を共有した。また11月には同大ゲーム研究所のフイリップ所長が来沖し共同研究を続けることになった。
 すでに英語、中国語、フランス語、ドイツ語に堪能なスタッフを持つデュアル・ソリューション社は、沖縄から世界を視野に入れ、新しいゲームの開発に挑んでいる。沖縄を基盤にしたIT若侍の期待は国内外でも大きく注目されている。
(比嘉良治通信員)