【アメリカ】沖縄の郷土愛に憧れ 長島さん、留学機に県人会と交流


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長島康記さん

 2005年、東京大学文学部を卒業、NHKに番組編成や経理、総務などを担当する「放送管理」の職員として入局した東京出身の長島康記さん(30)は、現在海外派遣研修の一環としてカリフォルニア州立大アーバイン校に留学、経営学を学んでいる。

留学期間は12年7月より11月上旬まで。米国滞在中、日本人向け情報誌で北米沖縄県人会の存在を知り、県人会長の呉屋君子さんにコンタクトを取った。その後、県人会会員との交流が始まった。長島さんの沖縄滞在記を紹介する。
 05年5月、長島さんはNHK沖縄放送局に赴任し、ローカル番組の編成を担当。1年後、契約キャスターとしてNHKに採用された瞳さんと出会う。福岡県出身の彼女は、沖縄をこよなく愛し、03年に移住し、民放のラジオレポーターをしていたが、縁あってNHKに。
 長島さんは彼女と交際し08年4月に結婚。09年2月に長女が誕生した。沖縄で生まれたことを誇りに思ってほしいとの願いから、沖縄の2月を象徴する「さくら」と命名。翌年の夏に東京への転勤の辞令を受け沖縄を離れた。
 沖縄滞在で、仕事や家族との生活、周囲の人々との関わりを通じて沖縄を愛する気持ちが非常に強くなっていった。特に魅力を感じたのがウチナーンチュの圧倒的な郷土愛や郷土・文化に対する誇りだった。父が転勤族だった関係で故郷らしい故郷がない。そんな自分にとって、ウチナーンチュの郷土愛は憧れだった。
 とりわけ高校野球の応援(驚異的なテレビ視聴率、試合時間になると激減する交通量)は実に印象的だった。2年前に甲子園で春夏連覇を果たした興南高校の選手が優勝後のインタビューでためらいなく「沖縄県民で勝ち取った優勝」と表現したその姿に固い結束力を強烈に感じた。応援する県民と甲子園で戦う選手たちがつくり出す郷土愛に裏打ちされた一体感、結束力。これこそが長島さんを沖縄のとりこにする理由という。
 沖縄ではもう1組、両親ができた。5年間滞在したアパートの大家・高江州夫妻だ。結婚の際、夫妻は婚姻届に記入する証人になった。現在、長島家の本籍地はそのアパートの所在地にしているという。
(当銘貞夫通信員)