【アメリカ】他文化会得で自国知る 本部に赴任教師キャサリンさん


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キャサリンさん

 本部町上本部中学校のJETプログラムでテキサス州ダラス出身のキャサリン・ストロングさん(23)が英語のアシスタント教師をしてから1年以上が経過した。

さらにもう1年間の延長が認められ「リフレクション(反射)」と題し1年を振り返って興味深いコラムを書いて送付してきたので、一部を和訳し紹介したい。読者と一緒に「キャサリンさんの上本部での生活と思い」を分かち合ってみたい。(当銘貞夫通信員)
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 沖縄の歴史・文化の多くを学んだし、自分自身に大きな変化が生じ、沖縄の習慣に同化しつつあることは間違いない。一方、私はアメリカ人であることを忘れない。アパート生活では料理するときなどに鼻歌を歌ったり、ダンスをしたりするアメリカ人としてのプライバシーを重んじて、自分なりにこの地に同化している。
 今日の世界はいろんな意味で混乱を来しているが、この地の滞在が長くなればなるほど沖縄の文化を受け入れ、アメリカ文化が疎遠になっていくような気がする。自分自身に投げ掛ける疑問は果たして自分は生まれ故郷の文化を忘れてしまったのだろうかということだ。そうではない、沖縄の文化を会得することはおのずとアメリカ文化の再発見につながり、より良き米国市民になれることではないだろうか。
 米国憲法は「フリーダム=自由」を米国人民に与え、大事に育ててきた。これは全世界の人間が享受を望む宝となる。沖縄での1年の生活経験で世界を見詰める機会を得ることができた。自分の内面を充実させ、思慮深い人間になれるような人生の育成を通して、アメリカ市民としての義務を果たすことができるように成長したことは大きい。
 この精神を重んじ、アメリカへ帰って若人らに語り、アメリカと沖縄の若者との友好に貢献できればと願う。