自分を信じ進もう 精神保健福祉那覇で大会


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「不安定な時代をいかに生きるか」をテーマにした座談会の登壇者ら=7日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 「第43回精神保健福祉普及大会」が7日、那覇市の琉球新報ホールで開催された。心の健康や精神障がい者の医療や福祉に理解を深めることを目的にした第43回精神保健福祉普及月間(主催・県、県精神保健福祉協会)の一環。「不安定な時代をいかに生きるか」をテーマに、東京大学の島薗進教授が特別講演。専門家による座談会も開かれた。

 精神保健福祉に尽力した功労者ら54人と2団体が表彰された。
 島薗教授は、文学作品などを紹介しながら現代の死生観などについて解説。「日本では、死という限界に向き合っている医療現場に、宗教やスピリチュアルケアを専門とする医師がいない。これは反省すべき点」と指摘し、死期が迫った人の思いや不安に寄り添う医療の必要性を語った。
 座談会では、医療関係者や新聞記者ら5人が登壇し、それぞれの立場から「不安定な時代をいかに生きるか」を提言した。精神科医で一銀クリニック院長の城間功旬(かつひろ)さんは、不安な気持ちへの対処法として「不安にとらわれるとエネルギーを消耗する。答えのある問いと無い問いを見分ける訓練をしてほしい。自分を信じてマイペースで進もう」と話した。