沖縄電力(石嶺伝一郎社長)は27日、同社初の液化天然ガス(LNG)発電として中城村泊で建設を進めていた吉の浦火力発電所の1号機の営業運転を開始した。
発電出力は同社最大の25万1千キロワットで、本島全体の約20%、約10万世帯分を賄う。2号機は12月中旬に試運転を開始し、2013年5月に営業運転を開始する予定。
1号機は12年6月から試運転を実施。同社の自主点検を経て運転を開始した。2号機の発電出力も1号機と同じ約25万キロワット。3、4号機は22年度以降の運転開始を予定している。
LNGの調達は大阪ガスと27年間の長期契約を結んでおり、オーストラリアのガス田から輸送する。現在使用している輸送船舶は、1隻当たり6万5千トンを積載。本年度は既に2回輸送しており、年度内にあと1回輸送して、計19万5千トンを予定。今後は、年間40万トンを想定している。
同日、同発電所で記者会見した石嶺社長は「長期にわたって電気を安定供給できる体制が確保できた。LNGは石炭による発電に比べて二酸化炭素の排出量が半分。温暖化を防ぐ切り札になる」と述べた。
建設中に発電所から振動が発生し、近隣住民から健康被害などの訴えが出た問題については、「地元の方向けに説明会を開き、被害が出た方には補償もした。現在、苦情はない」と説明。同社によると、現在は設備の改良も終わり、振動はないという。
同日は看板掲揚式と安全祈願祭も開かれ、當真嗣吉会長や石嶺社長、建設に携わった施工業者らが安全運転を祈念した。