【アメリカ】着物の魅力を紹介 押元さん、ショーで解説


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フィナーレであいさつする押元末子さん(前列右から2人目)=米アラスカ州アンカレッジ大学

 日本とアメリカの友好の証しとして、日本は100年前、ワシントンDCに6040本の桜の苗木を寄贈した。100年たった今でも、ポトマック河畔の桜並木は世界の名所の一つになっている。その寄贈100周年を記念して開催されたのが「日米桜寄贈100周年記念 着物レクチャー&ファッションショー」だ。着物ファッションショー、デモンストレーション、着物に関するレクチャーがこのほど、アラスカ州アンカレッジ大学で開催された。

 カリフォルニア州ハリウッドを拠点に、着物コスチュームデザイナーとして活躍する「末広着物エイジェンシー」の押元(旧姓・上間)末子さん(51)=北中城村安谷屋出身=がレクチャーを担当した。
 イベントの最初に行われたファッションショーでは、アラスカアンカレッジ大学で日本語を専攻している学生をモデルに、毎日着の小紋をはじめ、訪問着、黒留袖が登場。アンサンブル、黒紋付羽織袴に身を包んだ男性モデルも自慢の決めポーズで会場を沸かせた。
 色鮮やかな振り袖モデルが姿を見せると、会場からは感嘆の声が上がった。押元さんオリジナルデザインの、着物とヴィクトリアンドレスをうまく融合させた着物ドレスや、白塗りの芸者まで登場し、見応え十分だった。
 その後のデモンストレーションでは、押元さんのマネージャーでステージディレクターの寺内健太郎さんが振り袖の着付けを披露。押元さんが各所に分かりやすい解説を入れながら、着付けのポイントや各小物の役割などを細かく説明した。「ヘアー&メイクアップ」担当の野村知加さんと、その他7人が自己負担でアラスカへ駆け付けショーを手伝った。
 またレクチャーは、着物の歴史や基礎知識をモデルさんの着物を例に挙げながら実施した。途中、プロジェクターに映し出されたチャリティー着物ショーの写真を見て、押元さんが涙ぐむ場面もあった。
 来年は、ブラジル・サンパウロで着物コスチュームデザインに関するレクチャー講演を予定している。
(当銘貞夫通信員)