中国機が領空侵犯 尖閣上空で初


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魚釣島の南を飛行し領空侵犯した中国の国家海洋局所属の航空機=13日午前11時すぎ(海上保安庁提供)

 【東京】13日午前11時6分ごろ、尖閣諸島魚釣島の南約15キロの領空で、中国の国家海洋局所属の航空機1機が領空侵犯しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。

同機は約4分後、進路を北東に向けて領空内から飛び去った。防衛省統合幕僚監部によると、尖閣諸島周辺の領空侵犯は1958年の集計開始後、中国機は初めて。領空侵犯を受け、日本政府は中国政府に厳重に抗議した。
 航空自衛隊那覇基地からF158機とE2C早期警戒機1機が緊急発進(スクランブル)して、現場に急行。到着時には、中国機は領空を出ており、通告や警告は行われなかった。自衛隊レーダーは捕捉できなかった。統幕によると、領空侵犯した航空機はY12で、海洋調査や漁船監視に使用されている機種だという。
 第11管区海上保安本部によると、巡視船が無線で同機に対し「わが国領空内に侵入しないよう飛行せよ」と通告したところ、同機は「ここは中国の領空である」と回答したという。
 野田佳彦首相は領空侵犯に対し「一層の緊張感を持って警戒監視に当たるように」と政府内に指示した。 岩崎茂統合幕僚長は13日の定例記者会見で、自衛隊レーダーが航空機を捕捉できなかった理由について「具体的に何かというのは判定できていない」と述べた。
 中国国家海洋局は、航空機は「釣魚島の領空」に到達し、監視船4隻と共に海空一体のパトロールを実施したと発表した。