【ロサンゼルス】北米で肝心育む ウチナーグチクラス10周年


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ウチナーグチクラスの10周年の発表を終え、ケーキで祝う生徒ら。前列中央が比嘉朝儀講師=北米沖縄県人会ヤマウチビル

 比嘉朝儀さん(72)がウチナーグチクラスを開講して10年目の11月25日、北米沖縄県人会の山内ビルでウチナーグチ開講10周年記念発表会と祝賀昼食会が盛大に催された。

 日常会話での使用が減り、消え行く危険にさらされている言語「ウチナーグチ」の保存育成へのうねりが沖縄で盛んに叫ばれるようになり、ここ北米にもその波が押し寄せてから久しい。
 「言葉は一度失ったら簡単には復活できない。絶やしてはいけない。先祖から受け継がれてきた島々の言葉を北米で広めよう、そして沖縄の肝心(チムグクル)を北米で育てよう」
 こうした思いから、比嘉さんはクラスを開講した。
 駆け付けた聴衆は約120人。沖縄から応援に来た前田ちか子ウチナーグチ審査委員も飛び入りでプログラムに参加。各自が持ち寄った沖縄料理や豚の丸焼きなどに舌鼓を打ちながら生徒らの発表を聞いた。
 発表会では、各生徒が英語で作成したシナリオを比嘉講師がウチナーグチに翻訳、修正や校正を経た言葉が使われた。
 在ロサンゼルス日本国総領事館勤務のジュリアン・イーリーさんが日本語、英語、ウチナーグチの三言語で司会を担当。プロジェクターを駆使し、生徒らがウチナーグチであいさつした。寸劇では那覇の市場(マチヤーグワァー)でのやり取り、“ジョン万次郎”や紙芝居などが大スクリーンに映し出された。
 比嘉講師から2012年度のクラスを終えた10人の生徒らに受講証書が贈られた。生徒一同から比嘉講師に10年間のたゆまぬ努力をねぎらい、感謝の盾と記念品、県人会から感謝状が贈呈された。
 続いて仲井真弘多沖縄県知事から寄せられた祝辞の代読があり、生徒らに希望と勇気を与えた。(当銘貞夫通信員)