親族探し笑顔で対面 4世、JICA研修で来沖


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曽祖父のいとこの子に当たる具志忠二郎さんと握手するアーリンタ・チュウタロウさん=27日、今帰仁村渡喜仁

 【今帰仁】JICA研修生として県内滞在中の県系4世、アーリンタ・チュウタロウさん(34)=マーシャル諸島共和国=が27日、今帰仁村で曽祖父具志忠太郎さんの親族と対面した。

曽祖父のいとこの子に当たる具志忠二郎さん(88)らと握手を交わしたチュウタロウさんは「人生で最高の感激。帰ったら一族を集めてこの話を伝えたい」と喜んだ。
 チュウタロウさんは2012年10月に来沖。マーシャル諸島保健省職員で、研修が決まってから沖縄で自らのルーツを探したいと希望。現地紙に紹介された忠太郎さんの記事を手掛かりに、出身地とされた今帰仁村の関係者に協力を依頼。親族が健在と分かった。
 この日は忠二郎さん、妻の澄子さん(85)、親族の喜屋武忠栄さん(95)、具志ハルさん(92)らが出迎えた。
 涙を浮かべながら「初めまして」と日本語であいさつしながら握手するチュウタロウさんに、親族らは「目元に面影がある」と懐かしんだ。
 忠太郎さんは1912年生まれで、27年にマーシャル諸島へ移住。戦争で多くの人が引き揚げたが、忠太郎さんは現地で家庭を築き、実業家として成功、58年に帰化した。忠太郎さんの子の世代から名字を「チュウタロウ」にした。
 71年に一時帰郷した忠太郎さんと親族が集まった際の記念写真もあり、全員で写真を眺めながら当時の思い出を話した。澄子さんは「遠い所から来てもらい、会えて良かった。面影もあるし、似ている」と対面を喜んだ。
 チュウタロウさんは仏前に手を合わせ「これが最後でなく、また沖縄に来られるよう願った。本当に探せるとは思っていなかったのでとても驚いている。家系図も作りたい」と満足そうに話した。