「復帰男・古堅さん」を熱演 伊江小 OBに誇り、沖縄の歴史重ね


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
劇で「沖縄を返せ」と歌い、祖国復帰を訴える児童=1月27日、伊江村立伊江小学校体育館

 【伊江】伊江村立伊江幼稚園・伊江小学校(玉城洋之校長)の学芸会が1月27日、同校体育館で開催された。6年生は沖縄復帰40年を記念し、同校卒業生で沖縄復帰運動に尽力した故古堅宗憲さん(同村西江前出身)の生涯を題材にした創作劇「復帰男!古堅宗憲」を熱演した。

 古堅さんは、沖縄県人会事務局長として本土と沖縄の橋渡し役を担った。復帰前の1969年1月9日未明、日本青年館(東京都)の火災に巻き込まれ、38歳でこの世を去った。古堅さんの命日に当たる9日には、6年生25人と担任の上間洋介教諭が西江前区にある追悼記念碑前で慰霊式を開催。「一生懸命に演じる」と誓った。
 シナリオは地域の協力者と一緒に作った。昨年12月から、時代背景や復帰前の苦労、古堅さんの偉大さなどを学習した。
 劇の冒頭では昭和天皇が終戦を伝える玉音放送が流れ、会場は静寂に包まれた。1959年に石川市(当時)で起きた宮森小学校ジェット機墜落事故を伝える場面では、県人会事務所で怒る古堅さんの姿を岸本智也君が熱演。祖国復帰を力強く訴える様子は、25人で「沖縄を返せ」と歌い表現した。観客は迫力ある演技に身を乗り出し、涙をこらえていた。
 岸本君は「宗憲さんがいなければ沖縄は復帰していなかったと思う。宗憲さんに感謝したい」と述べた。上間洋介教諭は「劇を通して多くの学びがあり、子どもたちの誇りになった」と話した。
(中川廣江通信員)