【フランス】難関見本市に石垣焼 金子さん3年連続出展


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
世界一難関のインテリア国際見本市といわれる「メゾン・エ・オブジェ」に出展した金子晴彦さん(左)に、石垣焼について聞くフランス人=フランス・パリ

 石垣市在住の金子晴彦さん(51)は1月18日~22日、フランス・パリで開催された世界一難関のインテリア国際見本市といわれる「メゾン・エ・オブジェ」に3年連続の出展を果たした。クラフト部門では日本では石垣焼窯元のみ。

 金子さんは昨年、沖縄で行われた第52回ミス・インターナショナルの副賞として贈られた石垣焼の盾とハッピーブルーペンダントを製作した新鋭の作家、石垣焼窯元の主宰。
 石垣焼は透明のガラスに、石垣島で採れる鉱石から発色した美しい海の色と、油滴天目(ゆてきてんもく)を融合した器。中央に輝く美しい海色の青は、沖縄の美しいイノー(礁池(しょうち))をほうふつとさせ、その周りを取り囲む艶(つや)のある油滴天目の黒は南国沖縄の明るい日差しに相応した闇深い陰のようにも見える。
 厳しい審査の上、新参者には厳しいといわれる老舗展示会。3年連続出展したため、着実に世界の出展者や顧客から信用を得つつあると感じている金子さん。石垣焼は食器というよりは芸術作品という位置付けで評価されているので、毎年出展するたびに新しい作品を紹介しなければならず、大変な様子。しかし評判は上々。ポルトガルの財団からことしの冬の展示会に参加してほしいとの声も掛かっているという。昨年11月のパリ・ルーブル美術館内で行われた国際文化遺産見本市への出展、そして今回のメゾン・エ・オブジェ出展と続き、今後ますます石垣焼がヨーロッパで知られ、評価されていくことに期待が高まる。
(大城洋子通信員)