「学校は島の宝」 古宇利小、最後の学習発表会


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劇で空襲から逃げる様子を演じる児童たち=1月26日、今帰仁村立古宇利小学校

 【今帰仁】2013年度から天底小学校に統合される古宇利小の最後の学習発表会が1月26日、同校で開かれた。区民らが見守る中、高学年は古宇利小の歴史を劇で紹介。「学校は島の宝」と誇らしげに語った。

全児童6人による群読では、島の風景や優しい人々、「いつも一緒」だった友達への思いを発表した。
 劇は「女子に教育は必要ない」との風潮があった戦前から、戦時中の混乱、区民総出で校舎を再建した戦後の復興までを描いた。米軍の沖縄上陸が迫っていた1945年3月の卒業式は空襲のため開けず、卒業証書を受け取れないまま避難生活に入ったという。劇の中で児童たちは「戦争はいろいろなものを奪う。誰が戦争を始めたんだ」と憤った。
 劇を終え、小波津杏樹さん(5年)は「区民総出で学校を再開させたのがすごい」、金城怜菜さん(6年)は「今も外国ともめ事があるが、話し合えば平和な沖縄をつくれると思う」と話した。松田ドナさん(6年)は「学校は島の宝だと分かった。3月に閉校するが、学校のことは絶対忘れない」と誓った。
 杏樹さんの母、安枝さんは「発表会が終わりほっとしたような、寂しいような気分。(児童たちは)今まではきょうだいのようだったが、4月から大きい集団の中に入るので、気配りも身に付けてほしい」と話した。