【糸満】長崎の被爆者を中心につくる「平和を歌う合唱団」は5日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館を訪れ、過酷な沖縄戦を生き延びた元ひめゆり学徒らと交流をした。「原爆」と「地上戦」という、お互いのつらい戦争体験を語り合い、理解を深めた。
その後、合唱団は、県内の高校生が詠んだ詩に曲を付けた合唱曲「礎に思いを重ねて」を披露し、不戦への誓いを新たにした。
同合唱団は「被爆者歌う会ひまわり」(平原ヨシ子会長)と千葉県の合唱団を合わせた55人。
両合唱団を創設した音楽家の寺井一通さん(64)の「平和を語るには、沖縄と交流しないといけない」という思いの下、4日に来県した。県内高校などを訪問、合唱を通し平和を訴えている。
交流後、平原会長は「感無量の一言に尽きる。私たちが抱く平和への思いをひめゆりの人たちが受け取ってくれた。両者とも新たな力が湧いてくると思う」と語った。
同資料館の島袋淑子館長(85)は「私たちの気持ちが歌に表れており、とてもありがたい。手を取り合って、平和維持のために頑張っていきたい」と決意を語った。