野菜たっぷり減塩メニュー 社内食堂で沖縄伝統食


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「チャンプルースタディ社内給食開発プロジェクト」で提供された「沖縄風煮付けランチ」を注文し受け取る男性=8日、那覇市楚辺のJA会館地下、レストラン「ふれあい」

 沖縄の伝統的な食材や調理法を生かした社内食堂の献立を通じ、健康的な食生活の実践などにつなげようと「チャンプルースタディ社内給食開発プロジェクト」が、那覇市のJA会館地下のレストラン「ふれあい」とリウボウグループ社内食堂で始まっている。

野菜が豊富で塩分の少ない献立が試験的に提供されており、全国に比べ肥満者やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の割合が高く沖縄の健康長寿が危ぶまれる中、昼食の改善を通して、生活習慣病の予防を目指す珍しい取り組みだ。
 各社内食堂では休日を除く2月4日から15日まで、プロジェクトの特別献立が提供される。
 プロジェクトは「ふれあい」と流通アシストやリウボウインダストリー、西大学院が主催。献立は同学院の西大八重子学院長と社内食堂の料理長が共同で、伝統的な沖縄食を基本にした現代的な献立を考案した。食塩の過剰摂取が脳卒中や高血圧、胃がんの原因とされる点に着目。通常、同じ献立をつくる場合に比べ、塩を半分程度に、野菜は県産を中心に2・5倍多く使った。日替わりで「豆腐チャンプルー」「酢豚」「白菜と島人参のクリーム煮」などが並ぶ。
 レストラン「ふれあい」で8日に提供された献立は「沖縄風煮付けランチ」。煮付けは大根、カラシナ、里芋、揚げ豆腐など多彩な食材が使われ、トウガンとモズクの酢の物が添えられた。JAおきなわの玉城敏明さん(50)は「野菜の量がちょうどいいぐらい」、津波勇徹さん(54)は「味付けが良かった」とそれぞれ感想を語った。JA会館管理委員会の大城朝子さんは「かつおだしやニンニクでうまみを出して薄味を補っている。調味料代わりに使える食材があることを発見した」とほほ笑んだ。
 プロジェクトを運営する琉球大学産学官連携推進機構は期間中、食堂で食事内容のほか健康に対する考え方を聞く評価アンケートを実施し、結果を分析して各社内食堂に伝え、減塩で野菜豊富な献立の導入を提案したい考え。同機構の玉城昇さんは「社員に生活習慣病が増えると企業の経営に関わる。社員の健康づくりは企業の重要課題」と話していた。(高江洲洋子)