復帰闘争碑が破損 背面の説明板消失 辺戸岬


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説明板がなくなっている「祖国復帰闘争碑」=18日、国頭村の辺戸岬

 【国頭】沖縄の本土復帰闘争の歴史を語る象徴として1976年4月、国頭村の辺戸岬に建てられた「祖国復帰闘争碑」の背面に組み込まれた説明板が、消失していることが18日、分かった。原因は不明。

関係者は「残念」「大変なことだ」と語り、動揺が広がっている。
 説明板には建立年月日や建設した「沖縄県祖国復帰協議会(復帰協)」、碑文「桃原用行(復帰協第3代会長)」、文字「仲宗根悟(復帰協第6代事務局長)」などの説明が書かれていた。今月13日ごろ、辺戸岬を訪れた沖縄市議らが説明板がなくなっているのを発見した。国頭村辺戸区や地元の関係者は消失を把握しておらず、名護署への被害届は出されていないという。前面の「祖国復帰闘争碑」の文字や碑文はなくなっていない。
 復帰運動に中頭郡青年団協議会会長として取り組んだ中根章さん(80)は「復帰運動を伝える大切な記念碑だ。誰かが傷付けたのであれば、人間的にも道徳的にも許されないことだ。当時の思いが詰まっているだけに残念」と語った。同協議会のOB会で今週中に現地を調査する予定という。
 毎年、碑文の塗り替えなどをしている「祖国復帰闘争を語る会」の上原一夫さん(77)は「昨年の塗り替えの時(4月)には確実にあった。なくなっていれば大変なことだ」と残念がった。