民話の魅力 一冊に 石垣島など53話を収録


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
53話を採録した民話の本を紹介する(左から)望月新三郎さん、荒石かつえさん=16日、琉球新報北部支社

 【北部】2003年から毎年1回沖縄を訪れ、大宜味村などで民話を語る会を開いている荒石かつえさん(70)=千葉県=と望月新三郎さん(82)=東京都=が採録した民話をまとめた「おかつ 新三郎 ふたり語り」(悠書館、税別1800円)がこのほど発刊された。

石垣島や大宜味村の民話を含め53話を2人の語り口で再現。大宜味村などで収録した映像のDVDも付き、民話の魅力を堪能できる。
 2人はそれぞれ語り部として活動していたが、1982年ごろに意気投合して以来、2人で活動している。キジムナーを題材にした沖縄ツアーに参加したのを縁に、大宜味村の人から要望され、小学校をはじめ、県内で語る会を開いている。
 本では石垣島に伝わるニヌファーブシ(北極星)にまつわる話や大宜味のブナガヤ(キジムナー)の民話をはじめ、2人の故郷である北海道や東京、また、中国など各地の民話が紹介されている。
 荒石さんは「読むだけでなく、語りたくなる話を収めた」と読み聞かせなどへの活用を期待。沖縄戦や東京の空襲にまつわる話も採録した望月さんは「空襲で家を2度も焼かれた戦争体験者として、戦争に関係する民話を伝えたい」と話した。
 6月には沖永良部島、名護市、国頭村、那覇市で2人の語る会が開かれる。