容認派内に温度差も 欠席の市議ら


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 北部の経済関係者らが集結した「危険な普天間飛行場の辺野古地先移設促進名護市民大会」。政府が3月にも埋め立て申請を検討する中、市内に辺野古推進の声があることを必死にアピールした。一方、移設を容認する市議らは私用や姿勢の違いなどを理由にほとんどが欠席。容認・推進派が一枚岩ではないことも浮き彫りになった。

 「普天間移設に関わる大会は今日で最後にする。埋め立て申請は目の前に来ている。後は国に任せる」。主催した北部地域振興協議会の荻堂盛秀会長は、移設実現への執念をにじませた。荻堂氏は、全首長がオスプレイ配備・県内移設反対を訴えた東京行動について「世の中がどんどんおかしくなりつつある」と批判。かつて共に移設を容認していた首長らをも批判する様子は、むしろ同協議会の孤立を印象付けた。
 一方、参加を見送った辺野古区の宮城安秀市議は「辺野古は条件付き容認であってウエルカムではない」と欠席理由に微妙な姿勢の違いを挙げた。
 2011年10月に容認派が主催した「北部振興推進・名護大会」で、島袋吉和前市長ら登壇者は基地と振興策のリンクを強調したが、今回は大会名に「振興」は盛り込まれなかった。大会前、島袋氏は「危険性除去の原点に立ち戻った」と説明。だが、登壇すると一転、「移設がないと沖縄の自立経済はない」と訴え、経済効果への期待をにじませた。
 移設促進大会で「普天間の危険性除去」を強調する声が相次いだことに、同日夜、市内で行われた自民党の沖縄振興調査会との会合に出席した稲嶺進市長は「『危険性の除去』と言ってそれをそのまま持ってくるというのもおかしな話だ。ここに持ってくると危険ではなくなるということではない」とけん制した。(伊佐尚記、仲村良太)