旧暦の1年締める 粟国、伝統行事「マースヤー」


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家々で踊りが披露される様子=9日、粟国村の首里福原(シュリブク)

 【粟国】粟国村の旧暦大みそかの伝統行事「マースヤー」(塩売り)が9日夜から、旧正月元日の10日にかけて、村内各集落で行われ、県内外から島出身者や観光客が多く詰め掛けた。

 マースヤーでは、村内各所の家々で太鼓や三線の音に乗せて、子どもたちが色とりどりの着物姿で舞い、旧暦の1年を締めくくり新年の訪れを祝った。踊りが終わると家々から、心尽くしのごちそうや駄菓子、お酒が振る舞われた。同村では、マースヤーで旧年の1年を締めくくり、新年三が日の「畑興し(ハルウクシー)」まで年始回りや船興し(フナウクシー)など各小字ごとの伝統行事で新年をことほぐ。
 今年のマースヤーでは、粟国村観光協会主催による「粟国島マースヤーガイドツアー」が初めて実施された。ツアー参加者らは、住民と一緒に踊ったり、家々にあるごちそうに舌鼓を打ったりと、粟国島の伝統行事マースヤーの素朴で独特の美しさに魅了されていた。東京から訪れたツアー参加者は「粟国島にしかない伝統行事に参加できてよかった。今度は全ての小字の踊りを見たい」と話した。
(波平雄翔通信員)