斎場御嶽周辺の国有地 一括交付金で購入


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世界遺産「斎場御嶽」に隣接する国有地の売買契約を交わす槌谷沖縄総合事務局長と古謝南城市長=20日、那覇市の沖縄総合事務局

 【南城】南城市の世界遺産「斎場御嶽」に隣接する国有地を同市が取得する売買契約式が20日、那覇市の沖縄総合事務局であった。槌谷裕司沖縄総合事務局長と古謝景春南城市長が契約書に調印した。

用地額は5270万円で、一括交付金を活用した。1万1978平方メートルの用地にはウロー泉(ウローカー)や石畳、砲台跡がある。
 ウロー泉は琉球王時代、斎場御嶽に入る時に身を洗い清める場所だった。国有地は戦前、日本軍が高射砲陣地として使用しており、1972年の本土復帰に伴い国有財産台帳に登載された。現在は木々が生い茂り立ち入り禁止となっている。斎場御嶽が2000年に世界遺産に登録され、周辺の整備が望まれていた。
 南城市は13年度以降も一括交付金を活用して整備を進め、14年度に整備事業を完了させる予定。
 槌谷局長は「斎場御嶽は沖縄の最高の御嶽であり、パワースポットとして全国から観光客が来る。国有財産沖縄地方審議会でも高い評価を得た。地域活性化に役立ててほしい」と述べた。古謝市長は「保全と活用ができる土地が譲渡され、感謝する。本年度は40万人が訪れることになっている。自然への畏敬の念と祖先への感謝の念を育む場にしたい」と謝辞を述べた。