伊江言葉で五十音表 全児童生徒に配布へ


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 【伊江】伊江村教育委員会(名城政英教育長)はこのほど、島の誇れる文化「イージマグチ」(伊江島言葉)を正しく保存、継承することを目的に「いーじまぐち五十音表」を完成させた。五十音表は、長年イージマグチを調査研究している広島経済大学の生塩睦子名誉教授が監修。方言調査協力員の島袋満英さん、新城晃さん、知念シゲさんと一緒に単語を選定した。

挿絵は村出身の画家・知念登治さんが描いた。
 伊江小学校の玉城洋之校長の協力で、「あ」は「アタディカ(カエル)」、「い」は「いちゅでぃ(イチゴ)」など、児童の視点で単語の見直しや改良を加え完成させた。
 名城教育長は「昨年はイージマグチかるたが完成し、今回は五十音表の完成にうれしく思う。小さいころからイージマグチに親しむ良い教材になった」と喜んだ。
 生塩名誉教授は「学校や保育所などで、五十音表を有効に活用してほしい。港や公民館など公共施設にも掲示し、多くの村民に広くイージマグチを知ってもらいたい」と語った。
 生塩名誉教授はこれまで「沖縄伊江島方言辞典」などを発刊し、今後も「伊江島のことわざ」や「伊江島の民話」「イージマグチかるた(続)」(仮称)の刊行に取り組む。
 五十音表は4月の入学式に合わせ、新入生や全児童生徒に配布される予定。(金城幸人通信員)

「いーじまぐち五十音表」
「いーじまぐち五十音表」の完成を喜ぶ(左から)名城政英教育長、新城晃さん、島袋満英さん、生塩睦子名誉教授、知念シゲさん=6日、伊江村教育委員会