斬新な演出、心躍る 南城、創作組踊に市民出演


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斬新な演出で観衆を引き込んだ創作組踊「玉露の妖精」の一場面=17日、南城市佐敷の同市文化センター・シュガーホール

 【南城】第3回南城市芸能公演―組踊ってなんだろう(主催・同市、市文化のまちづくり事業実行委員会)が17日、同市文化センター・シュガーホールで開かれた。組踊解説に続き、南城市出身の実演家・西村綾乃さん作・演出の創作組踊「玉露の妖精(しー)」を市出身の若手実演家らを中心に演じた。

組踊の様式を生かし、分かりやすい斬新な演出で観衆を楽しませた。
 第1部では国立劇場おきなわ組踊研修修了生による沖縄伝統組踊「子の会」(仲村逸夫会長)のメンバーが組踊の歴史や所作の意味などを分かりやすく紹介。平敷屋朝敏作の「手水の縁」の忍びの場を実際に演じた。
 2部で上演された創作組踊「玉露の妖精」は西原の内間御殿が舞台。人間界に降りて遊んでいたサワフジの花の妖精・乙鶴(西村)を蜘蛛(くも)の精・黒毫強(神谷武史)が強引に連れ去る。偶然通り掛かった佐敷里之子(知花小百合)が蜘蛛の巣に掛かっている花を手に取り、乙鶴を助ける。怒った黒毫強が里之子に逆襲するも花の妖精たちの助けもあって、里之子が黒毫強を懲らしめるという物語。
 組踊の様式を取り入れながら、場面ごとに照明を変える演出や衣装の華やかさ、恋愛あり、立ち回りありといった緩急織り交ぜたストーリー展開で観客を引き込んだ。黒毫強のお供役で出演した石垣正城ちゃん(5)の立ち回りが会場を沸かせる場面もあった。
 観賞した山内シゲさん(61)=同市知念知名=は「現代風に変えた作品でとても良かった。また見たい」と話した。