善意まとい伝統舞う 粟国の行事マースヤー


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寄贈された着物をまとう住民=9日、粟国村伊久保原

 【粟国】粟国村の旧暦大みそかの伝統行事「マースヤー(塩売り)」が9日夜から旧正月元日の10日にかけて、村内各集落で行われた。

同村の集落11小字の一つ伊久保原(イイクブ)集落では、住民がインターネットの交流サイト、フェイスブックの呼び掛けで各地から集まった色鮮やかな着物を身にまとい、感謝の気持ちで踊りを舞った。
 伊久保原では30年以上使用していた着物が古くなっていたため、「伝統行事のためにも着物を集めたい」という思いから、「フェイスブック」へ着物の提供を呼び掛けた。呼び掛けは「いいね」や「シェアする」など、情報を拡散するコンテンツを介して、同村出身者をはじめ、県内外の多くの人に発信された。
 今回は神奈川県や南城市から約30着の着物の寄贈があった。
 フェイスブック上では、投稿者への温かい励ましの言葉や伝統行事継続へのエールなどのコメントもあった。
 着物の提供を呼び掛けた男性は「子どもたちも喜んでいる。着物の提供、情報発信に協力していただいた全ての方に感謝したい」と話した。
 フェイスブック上でつながった人たちとは今も同サイトを通して交流を行っている。
(波平雄翔通信員)