【アメリカ】沖縄歌劇、涙誘う 「羽衣」、英語字幕で


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公演終了後観客に感謝の意を表す出演者ら=2月9日、トーランス市アームストロング・シアター

 琉球舞踊と沖縄歌劇の公演が9日、米カリフォルニア州のトーランス市のアームストロング・シアターで開催され、約400人が詰め掛けた。同公演は芸能を活用した観光プロモーション事業として、県が主催した。

 県内から7人の若手演出家を起用して沖縄芸能をベースにした作品「羽衣」は、ロサンゼルス地区のほか、世界14カ所で公演される。演出は伊良波さゆきさん。沖縄で120年以上にわたり演じられてきた沖縄歌劇は今でも根強い人気を誇る大衆芸能で、沖縄の風俗を表現する庶民の歌劇。
 プログラムの第1部は雑踊で「谷茶前」「浜千鳥」「鳩間節」、第2部は「羽衣」で、天を織りなす家族の愛の物語が繰り広げられた。歌劇の終盤で羽衣をまとって天に帰っていかなければならない母と子どもたちとの「別れ」が観衆の涙を誘った。
 歌と舞踊をふんだんに取り入れ、若い役者たちが恋人から夫婦へ、そして老人となるまでを演じ抜く、沖縄で最もポピュラーな伝説の一つである。北米沖縄県人会の山内優子事務所長が日本語と英語で内容を紹介し、歌劇での言葉は劇場上部の英語字幕で訳され、日本語やウチナーグチを分からない人にも理解できたと好評だった。(当銘貞夫通信員)