福州園テレカ処分へ 2千枚、NTTが引き取り


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福州園の開園記念テレホンカード

 那覇市が1992年に同市久米に建設した中国様式庭園「福州園」の開園当時に発行したテレホンカード5千枚のうち、約2千枚が在庫として那覇市役所に保管されている。

公衆電話最盛期に作られたが、携帯電話の急速な普及で販売枚数は年々減少傾向にあり、市は「このままでは完売まで30年以上かかる」とみている。このため同市はカードの残額を庁内の電話料金支払いに充てる方針を決め、19日開会の市議会2月定例会に、カードを電話料金に充てる議案を提出した。
 福州園は中国福州市との友好10周年を記念して整備され、同市は開園記念に園内の景色をあしらった3種類のテレホンカードを作り、福州園の窓口などで販売してきた。
 当時はポケットベルなどの普及も重なり、公衆電話の利用が盛んな時期で、テレホンカードが記念品として作られることが多かった。しかしその後、携帯電話などの普及で公衆電話も次々と撤去され、福州園のカードの販売が低迷。2008年度は125枚だったが、11年度は57枚、12年度は1月末までに39枚まで落ち込んだ。市は「時代の急速な変化を予測できなかった」と話す。
 当時のカード製作費は約300万円。一枚千円で売ってきたため、「現状で製作費はほぼ回収できた。現在は記念品としてしか買われず、いつまでも持ち続けるわけにはいかない」として、NTT西日本に引き取ってもらうことを決めた。
 NTTの引き取り額は手数料などを引いて約90万円。製作費を差し引いた約90万円がプラス収支となる見込みだ。市は「貴重な記念カードで、20年間大切に保管している人もいると思う。欲しい人は早めに購入してほしい」としている。記念テレホンカードは3月末まで、福州園や市公園管理課などで販売される。