「隣の楽園」にどうぞ 瀬長島観光整備計画


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【豊見城】豊見城市が一括交付金を活用し、瀬長島を観光拠点として整備計画案を検討してきた有識者による瀬長島観光拠点整備検討委員会(委員長・安藤徹哉琉球大学准教授)は2月19日、市に整備計画を答申した。

島のキャッチフレーズを「隣の楽園。」とし、昔人々が子宝を願掛けした「子宝岩」や戦前の島の象徴だった「一本松」を復元。展望台や遊歩道の整備などが提案された。これを受け、市は本年度から5年間をかけ整備、2013年度、工事に着手する。
 有識者や市内の関係団体の委員による同委員会は、昨年10月からこの日まで4回にわたって整備計画案について検討してきた。
 自然についてはふるさとの風景を再生・保全し、人工物は米軍統治時代に形成されたデザインを生かす方針が示された。「沖縄の風土とアメリカ世テイストのコンビネーション」をデザインコンセプトに、島の一周道路に残る米軍統治時代のコンクリート角柱を再生利用する。
 また一部一方通行化し、歩道や駐車帯の確保、防犯灯の設置、新たに200台分の駐車場を増設することも盛り込まれた。西海岸テラスゾーンとして、夕日の眺めを楽しむサンセット広場や自然海浜ゾーンには自然の植生を回復させ、琉球石灰岩による「子宝岩」を復元する。
 高台には飛行機や周辺を見渡せる展望台、災害時に避難路としても活用できる遊歩道も整備、戦前まであった「一本松」の再現も提案している。
 安藤委員長は「計画には防災の観点からも県内で初めての取り組みが盛り込まれた。環境に配慮して実施してほしい」と要望した。答申を受けた宜保晴毅市長は「全国に発信できる観光拠点として取り組んでいきたい」と語った。

瀬長島観光拠点整備計画を宜保晴毅市長に答申する安藤徹哉委員長
瀬長島観光拠点整備計画図(クリックで拡大)