「模合」精神を世界へ 仲間とカンボジア支援


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カンボジアの学校に筆記用具やパソコンを届けているワガママクラブのメンバーと、学校の生徒や村の関係者たち=2月8日、カンボジアのトンレアップ村にあるアンチャウプニャ小学校(玉城盛正さん提供)

 【沖縄】友人や親族などが定期的に会合を持つ沖縄独特の「模合」。その模合で、カンボジアの学校を支援し続けるグループがある。沖縄市立美里中学校33期生11人でつくる「WAGAMAMA CLUB(ワガママクラブ)」だ。

2010年からことし2月にかけ、計3回にわたりカンボジアの小学校を訪問し、パソコンや文房具、遊具などを贈呈してきた。メンバーは「仲間で助け合うのが模合。ならばこの精神を世界に広げ、仲間が一緒になり、誰かの力になるのもいい」と話している。
 ワガママクラブは結成27年。3年に1度、積立金で旅行をしてきたが、「せっかくなら形に残ることがしたい」と、その積立金を旅費に充て、カンボジアとベトナムの国境に近いトンレアップ村にあるアンチャウプニャ小学校に文房具などを直接届ける活動を始めた。
 同小学校は首都プノンペンから車で約5時間。千人以上の生徒がいるが、約半数の生徒は授業料や給食費が払えず、学校に通えない状況にあるという。
 メンバーには溶接の専門家もいるため、最初の訪問時には、半年をかけて自作した組み立て式のサッカーゴールも届けた。筆記用具千ケースと一緒に届けた際に、学校側から「将来、子どもたちがいい仕事に就けるよう、パソコンがほしい」と要望があったため、パソコン店を営む玉城盛正さん(48)が故障したパソコンを修理し、文房具と一緒に届けている。
 訪問はメンバー有志や、メンバーではないが活動に賛同する人で続けている。ほかの模合にもこうした活動が広がる期待を込め、ことしからは鉛筆1ダースの寄付を広く募る「1ダース募金」運動も始めた。
 今回は2月8日に7人で学校を訪ね、交流を深めた。メンバーの仲宗根学さん(48)は「この学校からカンボジアを発展させる人材が出てほしい」と期待を込めた。玉城さんは「現地を訪ね続けることで、信頼関係も築けてきた。『いちゃりばちょーでー』の精神がどんどん広がってほしい」と話した。
(島袋良太)