未設置156施設 県内高齢者施設・スプリンクラー


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 特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなど県内の高齢者施設520施設のうち、156施設でスプリンクラーが設置されていないことが、4日までに実施された県福祉保健部の調べで分かった。

未設置のうちの25カ所が、消防法で設置義務が課せられている延べ床面積275メートル以上の施設の可能性があるため、県は市町村や各消防本部と連携して詳しく調べた上で、設置を求め、指導・助言する。
 県によると、未整備のうち設置義務のない施設は131カ所で、うち100カ所が有料老人ホーム。県は同ホームへの定期的な立ち入り検査を実施する際に、設置を呼び掛ける。
 一方、那覇市消防本部(仲里仁公消防長)は4日、市内にある1千平方メートル未満のグループホームなど小規模社会福祉施設78施設のうち、46施設でスプリンクラーが未設置だったことを明らかにした。うち6施設は、設置義務のある施設だった。仲里消防長は4日の市議会2月定例会で「設置義務があるにもかかわらず未設置の施設は、消防法令違反のため指導した。従わない場合は、防火対象物(施設)の使用禁止、停止、制限命令を視野に入れ、速やかな違反是正に努める」と答弁した。
 設置義務のない小規模施設については、長崎市での火災や施設利用者の特殊性を踏まえ「スプリンクラー設置を要望する」と話した。古堅茂治氏(共産)の一般質問に答えた。
 2月8日に火災が発生した長崎市の認知症グループホームは、スプリンクラー設置義務が課せられた施設ではなかったものの、市から設置を求められていた。