個人破産922人 5.6%減 98年以降最低水準


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 2012年(暦年)の県内の個人自己破産件数は前年比5・6%減の922人で、1998年以降最も低い水準となったことが東京商工リサーチ沖縄支店の調べで分かった。

03年の2425人をピークに減少傾向が続いている。一方で法人などの自己破産は前年比15・3%減の50件となっており、近年の落ち着いた動きの中でさらに減少している。
 那覇地裁管内の12年の新たな競売受け付け件数は、19・4%減の580件で、過去10年間で最も少ない件数となった。
 同支店は個人の自己破産件数について「かつては景気が悪く、消費者金融地獄や多重債務で問題になったが、過払い訴訟や特定調停の法律など制度見直しが契機となり減少してきた。最近2、3年は、中小企業金融円滑化法(返済猶予法)などで減ってきている」と、最近の県内景況の回復基調も背景にあると分析している。
 円滑化法終了後の情勢については「制度が切れてすぐに反動増にはならないだろう。多少は増えるかもしれないが、一気に破産件数などが増えることはないのではないか。分岐点となる悪材料を探すのが難しい状況だ」とした。
 一方、法人の自己破産件数については「波はあるが、今後の生活を進めていくために、破産させることも選択肢の一つとして活用する考えが経営者にも浸透してきている」と話した。
 民事再生件数(再生債権額3千万円以上)は75・0%減の1件。00年以降は03年が13件で最多。06年以降は1桁台で推移している。小規模個人再生は、37・0%減の34件。給与所得者等再生は26・9%減の19件。