20、30代 無料健診 那覇市、生活習慣病で対策


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 那覇市(翁長雄志市長)は2013年度から、20、30代の市民を対象とした糖尿病予防健診・保健指導を県内で初めて実施する。健診・指導を広く受けてもらうため、無料で行うなど、若い世代の受診徹底を図る考え。

2月28日に発表された都道府県別の平均寿命では、沖縄は女性が1位から転落、男性も30位に順位を下げた。その大きな要因として、若い世代の死亡率が高いことが挙げられている中、那覇市は、糖尿病など生活習慣病対策に本格的に乗り出す。
 健診は血液検査など生活習慣病関連の簡易健診で、健診後は保健師や栄養士による指導も行う。生活習慣病などの早期予防や啓発、ウオーキング促進など、さまざまな対策も推し進める方針だ。
 県内では、40代で既に肥満者の割合が5割近くに達し“重症化”している現状が指摘されており、若い世代への対策が急務となっている。
 生活習慣病をめぐっては、40~74歳には特定健診・保健指導で対策が行われているが、39歳以下では小規模事業所職員やフリーター、主婦らには定期的な健診の機会がほとんどなく、実態把握も難しかった。那覇市は新たに取り組む健診で、その実態把握も行う考えだ。
 那覇市はこのほか、小規模事業所への個別訪問などを通し、職場での健康づくりの意識啓発、情報提供などにも取り組む。また、慢性腎臓病の患者団体と協力し、患者を講師とした講演会を、各自治会などと連携して行う。日ごろ、自分自身がウオーキングで歩いた歩数をインターネットで管理し、歩数に応じて商品交換できる仕組みを通してウオーキングを促す。
 いずれの事業も13年度の早い時期に導入したい考え。
 那覇市医師会糖尿病対策担当理事の田名毅首里城下町クリニック第一院長は「県内では男性を中心に高校卒業後に生活習慣が乱れ、肥満になる人が多い。平均寿命で女性の順位が転落し市民の意識が高まる中、那覇市が若い人の健康にも関わろうとしているのは歓迎すべきことだ」と評価した。(知念征尚)