復興願い桜植樹 60本、被災者も参加 北谷


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震災復興への願いを込めた歌「花は咲く」を合唱する子どもたちと涙ながらに歌声を聞く避難者家族(左)=2月23日、北谷町玉上の新川自然ふれあい公園

 【北谷】東日本大震災被災地の一日も早い復旧・復興を願い、北谷町玉上の新川自然ふれあい公園で2月23日、植樹会が開かれた。

町内団体や県内に避難している被災者ら300人が1メートルほどのヒカンザクラの苗60本を公園内に植えた。桜が成長し花を咲かせるまでには復興し、ふるさとを取り戻せるよう祈りを込めた。
 植樹会は町内7建設業者でつくる北谷てぃーだの会と北谷中19期生が企画した。てぃーだの会の渡久地正勝会長は式典で「桜が咲くころには東北も復興するよう願いを込めた」と呼び掛けた。
 宮城県から妻亜紀さん(32)と共に家族5人で同町で避難生活を送る松本和久さん(38)は「震災から2年がたつが、まだ忘れられていないんだと感じ胸が熱くなった」と涙ぐんだ。避難後に沖縄で娘が生まれた松本さん。「父として、桜の木を見せながら子どもに震災を伝えていきたい」と話した。
 植樹後は、19期生と町少年少女合唱団「夢」が「花は咲く」などを合唱した。避難者の中には、歌声に涙を流す人もいた。福島避難者のつどい・沖縄じゃんがら会の桜井野亜会長(40)は「桜の木のように一歩一歩復興まで歩みたい」とあいさつした。