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“マグロ解体女子” 野原稚菜さん 先輩も舌巻く腕前

 【糸満】糸満市の道の駅いとまん内にある「お魚センター」で働く、野原稚菜(わかな)さん(18)=南城市大里=は、マグロをさばく腕前が評判となっている。2月中旬から、1日3~4本のマグロをさばく野原さん。以前は他の業務を担当していたが、マグロをさばかせてみると、初めてとは思えない腕前を披露。10代の女性でマグロをうまくさばける人材は希少だといい、先輩社員は「これだけ筋が良い子は見たことがない」と驚いている。

 野原さんは、高校卒業後の昨年4月、県内食品製造業大手のホクガン(那覇市)に入社し、お魚センター内の「ANMAR(アンマー)」に配属された。当初の業務は、主にレジ打ちや魚のパック詰め作業。「男性がマグロをさばく姿が格好良く、自分も挑戦してみたかった」(野原さん)とマグロの解体に興味を持ち、業務の傍ら、先輩社員が作業する様子を観察した。携帯電話の動画機能でも撮影し、自宅で練習したという。
 ことし2月中旬、野原さんから希望があり、試しにマグロを解体させた先輩社員の比嘉秀全さん(50)は「本格的に指導をしたわけではなかったが、2日目から1人でマグロをさばき始め、本当に初めてなのかと思うくらい」と野原さんの素質に驚いたという。
 魚屋にとって、マグロは売れ筋の商品で、1キロ2~3千円の値が付くという。そのため、解体人には、骨から無駄なく身を切り取る熟練の腕前が求められる。野原さんは、すでにほとんどのマグロをさばく作業を任せられているという。
 比嘉さんは「彼女がマグロをさばいていると、足を止め珍しげにのぞき込んでくるお客がいる。これを機に魚離れに歯止めがかかればいい」と期待をかける。
 入社当初は、魚をさばくことは考えていなかったという野原さん。現在は20キロ程度だが、いずれは自分の体重より重いマグロをさばくことが目標だという。「お客さんに自分がさばいたマグロをおいしいと喜んでもらったときが一番うれしい。これからも男性に負けないように頑張りたい」と力を込めた。
(梅田正覚)


真剣な表情でマグロを解体する野原稚菜さん=2月28日、糸満市の道の駅いとまん内の「お魚センター」

野原稚菜さん(右)と先輩社員の比嘉秀全さん=2月28日、糸満市の道の駅いとまん内の「お魚センター」