TPP反対に4000人 仲井真知事全国唯一出席


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TPP交渉参加に反対する緊急集会でガンバロー三唱するJA沖縄中央会のメンバーら=12日午後2時ごろ、東京・日比谷野外音楽堂

 【東京】全国農業協同組合中央会(JA全中)などの8団体は12日、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に反対する緊急集会を東京都の日比谷野外音楽堂で開いた。

JA全中によると農家ら4千人程度が参加した。仲井真弘多知事は全国都道府県の知事でただ一人出席した。政府に対し徹底した情報開示や議論、慎重な検討を求めた。
 仲井真知事は「TPP交渉参加 断固反対」と書かれた鉢巻きを締めて出席。壇上では前列でJA全中の万歳章会長の隣に座り、最後まで参加した。
 あいさつでは「沖縄でも大変な危機感が募っている。沖縄は農林水産業が社会の基盤であり、文化であり誇りであり、歴史だ。これを崩してはいけない」と強調。「徹底した情報の開示、議論、現場の状況を踏まえた判断が必要なのは当たり前だ。この当たり前のことをぜひ政府にしてもらいたい」と力強く訴えた。
 沖縄からはJA沖縄中央会の小那覇安優会長ら22人が参加。デモ行進にも参加し「政府は交渉に参加するな」「農林水産品や食の安全や医療を守れ」と訴えた。
 デモ行進を終えた小那覇会長は「国益を守らないのがTPPの本質で、国益を守るTPPはあり得ない。あらためて国民的運動に広げることの大切さを実感した」と強調。集会で石破茂自民党幹事長が「コメ、乳製品、砂糖、牛肉をはじめとする品目は死守する」と述べたことについて「国会答弁などを聞くと政府は、コメを守れば解決とするのではないか。聖域を守るという発言には担保がない」と危惧した。