【宜野湾】宜野湾市のエイサーの歴史をまとめた「宜野湾市のエイサー~継承の歴史~」が約5年の調査期間を経て、このほど完成した。
宜野湾市青年エイサー歴史調査会(中本岩郎会長)が中心となり、聞き取りや文献資料を基に各区のエイサーの成り立ちや振り付け、演奏曲、衣装といった特徴を細かくまとめた。戦前からの宜野湾エイサーの変遷がたどれる一冊に仕上がっている。
同調査会によると、宜野湾の集落には明治時代からエイサーがあったが、戦時体制に入るとエイサーを含めた娯楽が禁止された。戦後は18地域でエイサーの復活・新設があったが、その後途絶えた地域もあり、現在では15地域でエイサーが行われているという。
戦後間もないころは物資不足から太鼓の代わりに米軍の水缶をたたいた地域も多く、記述からは復興とともにエイサーに力を入れる地域の様子が浮かび上がる。軍用地として土地が接収されてしまった伊佐浜や安仁屋、中原などのエイサーについても聞き取りなどでまとめている。
現在26歳の中本会長は、大学進学で沖縄に来たことがきっかけでエイサーにのめり込み、長田区青年会の会長も務めた。「この本を通じて地域のエイサーのルーツを知るきっかけにしたり、昔話に花を咲かせたりして、地域やエイサーがもっと活気づいていくとうれしい」と語った。
400部発行。各青年会、自治会、協力者へ配布される。問い合わせは市青年連合会(電話)098(893)4431。