基地問題知って 台湾に「高江考える団体」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
宮平杏奈さん(前列右から2人目)と「沖縄高江のヘリパッド建設を考える団体in台湾」のメンバーら=2月7日、台北市内

 県出身者が呼び掛け人となり、台湾の劇団メンバーらで結成した「沖縄高江のヘリパッド建設を考える団体in台湾」が、台湾で沖縄の基地問題を広く伝えようと、活動を活発化させている。

同団体は、那覇市出身で、台湾台中市の東海大学に留学中の宮平杏奈さん(26)が中心となって結成、基地問題に関する勉強会などを精力的に開いている。15~17日には、ヘリパッド建設に反対する高江の住民を台湾に招き、交流する。宮平さんは「台湾の人に沖縄の米軍基地問題をもっと知ってほしい」と思いを語った。
 沖縄国際大学で平和学を学んだ宮平さん。台湾で台湾駐留米軍と女性への暴力について研究する中で在沖米軍の問題への知識も深めた。近年、毎年繰り返される高江のヘリパッド建設工事に危機感を覚え「自分に何かできることはないか」と考え、台湾で沖縄の基地問題を広める活動を始めた。
 知人を通して知り合った台湾の劇団「海筆子(ハイビーツ)」のメンバーら十数人で「―考える団体in台湾」を結成。勉強会のほか、高江の問題を扱ったブログを中国語に翻訳したり、1月には数人のメンバーで高江を訪ね、住民らの話を聞いたりした。
 宮平さんと高江を訪問した劇団員の李〓(日ヘンに句の口が二)(リユン)さん(35)は、座り込みという平和的手段で基地問題の解決を訴える高江の住民を見て衝撃を受けたという。「私たちがどう関われるのかまだ整理が付かないが、この現状を台湾でも伝えたい」と思いを語った。
 同じく劇団員の許雅紅(シュヤホン)さん(42)は、過去にも沖縄で戦跡巡りをした経験がある。「実際に関わりを持つことで、沖縄の基地について考えるようになった。私は芝居集団の団員なので、演劇を通じてこの問題を伝える方法も考えていきたい」と話した。
 宮平さんは「今はまだ小さな動きだが、交流会をきっかけに、高江と台湾の交流を続けたい。沖縄の基地問題を1日でも早く解決させることができれば」と願いを込めた。(外間愛也)