地域サロン推進を 豊見城市で「支え合う」シンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
福祉、NPO関係者らが意見を交わしたシンポジウム=9日、豊見城市社会福祉センター

 【豊見城】シンポジウム「共に地域を支え合うために」(社会福祉法人まつみ福祉会主催)が9日、豊見城市立社会福祉センターで、市民や福祉関係者ら155人を集めて開催された。

基調講演とパネル討議があり、高齢者、障がい者、乳幼児らに対して、公的サービスでは行き届かない支援を地域で補うための方策を討議。介護予防を兼ねた地域の居場所(サロン)の開設、公民館を拠点にした健康づくりなどの提案があった。
 那覇市NPO活動支援センター副センター長の田中俊朗さんが基調講演し、朝の散歩がてらに通学路の見守り、グラウンドゴルフの後に公園の清掃をするなど現在の活動の延長上で「無理せずできることから実践してほしい」と助言した。
 パネル討議は豊見城市社協地域福祉課長の大城稔さん、キリスト教学院大学准教授のクリストファー・ヴァルヴォーナさん、NPO法人あらた理事長の島尻郁子さん、琉球新報社記者の高江洲洋子さん、同市協働のまち推進課長の長嶺直さんが出席。沖縄大学福祉文化学科の西尾敦史教授がコーディネーターを務めた。
 島尻さんは宮古島市平良区に高齢者らが集う場として開設された30カ所余の「サロン」の活動内容を紹介。役割について「情報提供、人的交流、安否確認の場所になっている。サロンがあるから地域の人が元気になり、地域づくりの要になっている。介護予防につながる大切な事業」と実感を込めた。
 豊見城市平良、高嶺の住民らでつくり、地域の高齢者らを住民が支え合う組織「高良地域サポートネットワーク」(末吉正幸会長)の設立準備委員会が共催した。