大宜味村「結の浜」に野菜工場 大宜味村「結の浜」に野菜工場


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 【大宜味】大宜味村が塩屋湾外の埋め立て地「結の浜」に建設している企業支援賃貸工場に、都市計画などを手掛ける総合建設コンサルタント業のオオバ(東京、大場明憲社長)が進出し、野菜工場を展開することが14日、分かった。

1日当たり最大2400株(リーフレタス換算)を生産予定。「長寿の里大宜味村」を前面に打ち出し、今夏に稼働する予定で整備を進めている。
 オオバはこれまでに、循環型の環境システム構築を目指し、水で薄めた泡盛の酒かすを土地に散布するなどした赤土流出防止方法の開発を県内で進めてきた。この技術で土壌が改良できることから野菜栽培に応用し、同社では初めての野菜工場を手掛ける。
 野菜工場では、LED照明が付いた棚に「ガター」という長いおけ型の容器を並べ、容器内の小分けされた鉢でレタスやハンダマ、ルッコラなどの野菜を栽培し、県内の需要に合わせ安定供給する計画という。
 工場にはミネラルを豊富に含んだ大宜味村の湧き水が引き込まれ、安価で利用できる。大場社長は「安全な大宜味の水を使う。おいしい、大宜味産の野菜を世に出していきたい」と語った。
 入居する賃貸工場は床面積1300平方メートル。現在建築中で、5月末ごろに完成予定。7月ごろに工場として稼働し、野菜は県内のスーパー、コンビニなどへ出荷される見通し。同社はパートや派遣などを含めて最大20人を雇用する計画だ。
 同村の賃貸工場はこれまでに、水耕栽培の沖縄村上農園、ミネラルウオーター製造販売のブルーオーシャンズの入居が決定。オオバの進出で全室の入居企業が決まった。(仲村良太)

オオバの野菜工場が入居する建設中の企業支援賃貸工場=14日、大宜味村
オオバの大場明憲社長(右)に通知書を手渡す島袋義久大宜味村長=14日、同村役場