那覇市首里と浦添市の境界付近で、沖縄戦当時の日本軍陣地壕とみられる場所からこのほど、少なくとも10体の遺骨の一部が見つかった。
長年、県内各地で遺骨収集を続ける国吉勇さん(74)=那覇市=らが壕を掘り起こし、ヘルメットや軍靴などの遺品や、多数の手りゅう弾や銃弾、照明弾なども発見した。
陣地壕は、首里にあった旧日本軍第32軍司令部壕を見下ろす丘の上にあり、幅数メートルと小さな造り。国吉さんらが約2週間かけて掘り起こし、土砂の中に散らばるようにしてあった遺骨や遺留品を見つけた。
大腿(だいたい)骨の数から、遺骨は少なくとも10体分はあったという。砕けた頭蓋骨や骨盤、鎖骨、歯の残る顎の骨の一部も見つかった。現在掘り進めたのは入り口から3、4メートルほどだが奧はまだ土砂でふさがれたまま。国吉さんは「まだまだたくさんの遺骨や遺留品が見つかるのではないか」と話す。
未使用の手りゅう弾25発と銃弾120発も確認。国吉さんによると銃弾は、中に詰められた火薬の形状が四角い日本製のものと、円柱状の米製のものがあった。戦車に体当たりして爆発させるために、升などに詰めて身に着けていたものとみられる火薬には「淡黄」の文字が残っていた。