側溝に流され男性死亡 石垣で記録的大雨、浸水も


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冠水にはまり水没した車=18日午後3時、石垣市真栄里

 沖縄地方は18日、大気が不安定になったため、各地で雨や風が強く、石垣市では3月の過去最高記録となる大雨が降った。この影響により、同市では、増水した側溝に流された男性が死亡した。

同市によると、床下浸水17件、道路冠水6件、陥没や路面損壊などの道路被害が3件発生。冠水した道路で車両4台が水没した。西表島で床下浸水1件、道路冠水が2件あった。一方、久米島で突風とみられる風に、軽自動車2台が吹き飛ばされたほか、うるま市でもトタンが飛ぶ被害があり、県内は風雨で荒れた天候となった。
 沖縄気象台によると、降水量は石垣市登野城で3月の過去最高となる1時間94ミリを記録。18日午前10時~午後5時までの降水量は254ミリを観測し、24時間降水量も3月の過去最高を更新した。竹富町上原でも1時間に81・5ミリを記録。午前9時~午後5時までの降水量は283ミリとなり、24時間降水量で3月の過去最高を記録した。
 この影響で、石垣市道南大浜線、アカシタ橋、運動公園北側の道路は冠水により一時通行止めとなった。市真栄里の独立行政法人国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点前の道路は陥没。名蔵では農道が一部決壊したほか、道路も一部損壊した。
 一方、沖縄本島や周辺離島では強風が吹いた。粟国島では午前10時16分に最大瞬間風速38・6メートルを記録した。午前9時ごろ、久米島町のホテルの駐車場に止めていた車2台が駐車場を囲む金網のフェンスを突き破って約3メートル下の林に落下する事故が発生。沖縄気象台は、突風による被害の可能性があるとして、調査を進めている。同町では同6時50分ごろ、最大瞬間風速22・6メートルを記録している。
 うるま市宮里では午後1時20分ごろ、造園業者の敷地から幅80センチ、長さ11メートルのトタンが強風で吹き飛ばされ、付近に駐車していた車両に落下した。当時、車両に人はいなかった。
 沖縄気象台によると、気圧の谷に吹き込む南からの湿った空気の流入により、風が合流した影響で、八重山地方で大雨が降ったという。19日は、大東島地方を除く県内地域は、気圧の谷が通過した後で、おおむね曇りとなり、雷を伴う大雨の発生は予想していない。