景観、歴史、祭り…全て魅力 琉大生が「嘉陽マップ」


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住民による田植えを見ながら、かつて米どころだった嘉陽の歴史を説明する学生=17日、名護市嘉陽

 【名護】琉大の学生でつくる団体「ディスカバリー」(阿野翔大代表)と名護市嘉陽区の住民が協力して作った「散策マップ」を基に、学生が地域を案内するツアーが16、17の両日、同区で開かれた。地域の拝所「上グスク」から眺める絶景や米どころ復活への思いなどを紹介し、沖縄の原風景が残る嘉陽の魅力をアピールした。

 ツアーでは上グスクなどの拝所のほか、古井戸や守り神である獅子を置く「シーシーヤ」など、地域で信仰の対象となる場所を案内。豊年祭やアブシバレーなどの年中行事を解説し、伝統が現代の生活にも密着していることを紹介した。
 嘉陽の集落を囲む山のうち、赤土でなく石灰岩地層になっている高台が「上グスク」で、北部に少なく、神木とされる「クバ」が生えることも説明。
 約80メートルの坂道を上り、高台から海岸と集落が一望できる光景に参加者も喜んでいた。ツアーの途中では個人の庭を開放する休憩所もあり、住民との交流もあった。
 ディスカバリーは阿野さんのほか、町田宗貴さん、比嘉謙太さん、松本彩加さん(いずれも琉大農学部2年)で構成。3カ月余り時間をかけて住民の聞き取りを基にマップを作った。
 嘉陽区の翁長一史区長は「多くの人に聞き取りし、区民も若い人との交流で刺激を受けた。イベントをきっかけに、区民が将来どうするか考えるきっかけになればいい」と誘客や活性化に期待した。