音波技術 アジアへ 沖縄発、モデル展開


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沖縄発のサウンドコード技術の海外展開を目指す津久間孝成取締役(左)=21日、那覇市の沖縄振興開発金融公庫

 システム開発のフィールドシステム(那覇市、鈴木浩司社長)は、文字情報を人の耳には聞こえない音波に埋め込んで携帯端末に送信する新技術「サウンドコード」の商用化事業の一環で、シンガポールや台湾など東南アジアへの展開も視野に取り組みを進めている。

新技術を活用した広告や観光分野での利用など沖縄発の多様なビジネスモデルを東南アジアに移植する。
 商用化に向けて運転資金やシステム開発用として沖縄振興開発金融公庫から21日、8千万円の出資を受けた。現在4人体制の沖縄本社に新たに3人雇用する。
 同社によると、スマートフォン(スマホ=多機能携帯電話)へ、ウェブサイトのアドレスなどをサウンドコードで送信すれば、入力せずにサイトに接続できる。テレビやラジオの番組やCMに有効。多言語による観光情報提供やスーパーで店頭クーポン配布など活用の幅は広いとしている。
 新技術を担当する津久間孝成取締役は「沖縄は唯一、他県に電波が飛ばない地域で、コンパクトシティーの位置付けができる。沖縄でロールモデル(模範例)をつくって結果もすぐ出せ、海外にも本土にも展開できればいい」と話した。
 事業説明で台湾やシンガポール、タイ、中国・大連を訪れた。シンガポール観光庁から価格問い合わせがあり、台北の企業から代理店の申し出があった。香港からも問い合わせがあるという。
 技術は2012年9月に完成。スマホ端末の認証などを経て13年2月には大阪の繁華街で試験活用し好評だったという。