月桃の精油2倍に 沖縄高専 企業と抽出技術研究


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衝撃波を利用して月桃の精油抽出量を倍増させる研究に取り組む新城勝行社長(左端)ら=12日、今帰仁村今泊のグリーンプラン新城

 【今帰仁】月桃から精油や蒸留水を抽出、販売するグリーンプラン新城(今帰仁村、新城勝行社長)と国立沖縄工業高等専門学校は、月桃に衝撃波を当てることで、精油の抽出量を2倍にする共同研究に取り組んでいる。

 衝撃波を当てることで、蒸留水に活性酸素を無害化する「抗酸化活性」も加わり、抗菌や美白効果が期待されるという。また、蒸留水は品質が安定するまで3カ月必要だったが、衝撃波を当てることですぐ出荷できるようになり、生産調整しやすくなる。
 月桃から抽出した蒸留水や精油は化粧品やアロマオイルの原料となる。同社の技術では現在、月桃の茎と葉40キロ(生の状態)から10ミリリットルの精油が取れる。
 研究は、県のライフスタイルイノベーション創出推進事業の助成金を受けている。2012~14年度の3年間で実用化を目指す。
 研究で使用している、水中でためた電気を瞬間的に放電することで生じる「水中衝撃波」の技術は、沖縄高専独自の技術。高専は「沖縄固有の文化と高専の技術がマッチングした良いケース」としている。新城社長は「精油がたくさん取れるようになれば、農家の所得向上につながる」と期待している。