【アメリカ】比嘉さん「沖縄言語 保存に尽力」 LAタイムズが取材、報道


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ウチナーグチを教える比嘉朝儀さん=米ロサンゼルスの北米沖縄県人会事務所

 米ガーデナ市の北米沖縄県人会の一室にウチナーグチ・クラスを開設して10周年。消え行く言語の復活に努力を続けている比嘉朝儀さん(72)の取り組みを、ロサンゼルス・タイムズ(LA Times)が記事に取り上げた。

2月25日付で「太平洋を越えて消え行く言語に息吹を与え、沖縄言語の保存と活性化へ懸命に努力」などの見出しでシンディー・チャング記者が報じた。チャング記者は2回クラスを取材するため訪れた。
 クラスが始まる際は「ウキミソーチー」「ウガンジューヤミセーミ」などの言葉を、生徒も繰り返す。月2回、約40人が受講。年齢層は高校生から80代までで、トキエ・コヤマさんはこのクラスへ来ると「小さいころの沖縄を思い出し、涙がこぼれる」と表現した。その他「ニヘーデービル」「グブリーサビラ」などを英語や日本語に訳しながら教えている。生徒は県人会会員になっている。
 流ちょうな日本語を話すハワイ2世のジョーン・オオシロさん(68)は「クラスを通して沖縄人であることは、他の日本人とは歴然とした違いがあることが分かった。もっとも私はその前にアメリカ人であることを誇りに思っているのだが」と語っている。
 宮古諸島の北西にある離島「池間島の言語と文化―池間プロジェクト」に取り組んでいるUCLAの岩崎勝一アジア言語・文化部教授は「池間の言葉は間もなく消滅していく可能性が高いが、ウチナーグチは沖縄本島の言語として、古いフランス語のように、子守歌などとして今後も末永く残るだろう。比嘉さんの保存・維持の情熱を称賛する。しかし、彼一人でできることには限度がある。若い後継者を育成することが必要だ」と意見を述べている。(当銘貞夫通信員)

英文へ→LA Times article about an Okinawan attempting to keep Okinawan language alive